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鉱物との電子授受にもとづく微生物酢酸生成代謝が生命初期進化に果たした役割を探る (加藤 創一郎・産業技術総合研究所)
OLD_A06班: 冥王代生命学の創成公募班
鉱物との電子授受にもとづく微生物酢酸生成代謝が生命初期進化に果たした役割を探る
(加藤 創一郎・産業技術総合研究所)
冥王代地球における生命誕生、初期進化は現在においても多くが謎に包まれている。生命の維持および増殖・進化を可能にするためにはエネルギーと有機物の継続的な獲得が必要である。しかし原始生命体がどのようなエネルギーおよび炭素固定代謝を有していたかは想像の域を出ていない。本研究では生命誕生および原始生命体の初期進化の場をアルカリ性・高温(50-100℃)・還元的な地下熱水と中性・中温・(酸素は存在せずあくまで比較的)酸化的な陸上淡水とが混合する場と想定し、「硫化鉄等の金属鉱物に蓄えられた電気」をエネルギー源とした「還元的アセチルCoA経路による酢酸生成」が原始生命体の主要なエネルギー・炭素固定代謝系であったとする仮説を提唱する(図1)。その仮説に基づき、現存の冥王代類似環境を含む多種多様な環境から該当の代謝経路を有する新規微生物を分離培養し、冥王代環境において鉱物-微生物間電子移動に基づく酢酸生成反応が生命誕生・初期進化のドライビングフォースとなりえたことを実験的に証明することを目的とする。